現代社会が抱える様々な課題(エネルギー,資源,食料,気候変動など)を解決する政策として,科学技術イノベーションの推進が大きく期待されており,世界的には STEM 教育が欧米を中心に展開,推進されている。そのような背景を踏まえて,本研究では,教育課程の基本類型の1つである「相関カリキュラム」に着目し,「密度」を題材にしたカリキュラム開発を行い,理科と数学の教科間連携を図った中学校理科教育の展望について論究していくことを目的とした。教育課程及び教育内容の理論的検討を踏まえて開発されたカリキュラムでは,理科の文脈における「平均値」と数学の文脈における「平均値」を別個のものではなく,同じ領域上で扱うことにより,「科学的な見方・考え方」と「数学的な見方・考え方」を双方向に活用させた深い学びへと繋げることができた。