抄録
小学校教員の理科指導に関する苦手意識は,以前から指摘されている .近年,全国の私立大学に小学校教員養成課程が設置されており,理科指導ができる学生をいかに育成するかという課題に直面している.これまで小中学校教員養成課程の授業の中で模擬授業を取り入れられているが,その実施方法や内容は大学によって様々である .そこで大学生の観察や実験の力量を高めることを意図した授業を実施し,その有効性について検討した.その結果,学習指導案の作成や予備実験等の模擬授業への事前準備に時間をかけて行うこと,模擬授業後の学生間の相互評価の実施,授業者自身の振り返りの時間を確保することの重要性が示唆された.