2016 年 31 巻 8 号 p. 19-24
一人ひとりが粒子となって全体の振る舞いをみんなで表現する擬人化体感学習の方法を少人数での実践を通して、小学校で学ぶ理科の内容の思考実験の道具としての可能性を考えていく。小学校4年生で学ぶ空気や水の性質を例として、自分が空気や水の小さな粒子となってみんなが集まった時に全体の振る舞いとして起こることを想像し、実験と対比しながら理解を系統的に進め、そして主体的に学ぶ方法の基礎作りを行う。本研究では学生が、自分たちの持つ現象のイメージを基に、目に見えない小さな粒子の世界の中での動きと全体の動きとしての現象の関係を主体的に学んで行く学習を通して、擬人化体感学習を主体的な学びへの利用の可能性を検討する。