2016 年 31 巻 8 号 p. 87-92
ドイツにおけるコンピテンシー指向の教育スタンダード・物理の課題事例を文献により分析し,一部の授業実践を試み,その特質と日本の物理教育現場への示唆を得ることを目的とした。課題事例は,生徒の生活体験に即し興味・関心を高める形態で,物理のコンピテンシー領域を具現化していた。ただ,課題事例で対応するスタンダードの種類及びレベルの分布に偏りがあり詳細な対応がなかった。また,課題事例を基にした授業実践を行った結果,それぞれのスタンダードに関し上昇したが,日本で馴染みがない「評価」の指導に問題があった。