2017 年 32 巻 4 号 p. 13-16
本研究は、次期学習指導要領から導入される防災教育(防災や減災を合わせて防災とし、防災に関わる目標や内容、学習方法など)に関して、教育史的アプローチと比較教育学的アプローチから、実践に向けての示唆を得ることを目的とした。教育史的アプローチとして、わが国の戦後の中学校および高等学校学習指導要領(指導要項)における防災教育の扱われ方、比較教育学的アプローチとして、フランスとイギリスの中等教育段階における教育プログラムやナショナル・カリキュラムなどを分析した。そして、これらの分析結果や世界的な科学教育の動向なども勘案し、今後のわが国における防災教育の示唆として、その目標、学習内容、学習方法等について考察した。