2018 年 33 巻 1 号 p. 25-28
本研究は,中学校第3学年の生を対象として,理科の単元「科学技術と人間」終了時に,STEM(科学・技術・工学・数学)の各領域のイメージ及びSTEM教育に関する認識の調査を行った.その結果,生徒はSTEMの各領域に対して関心が高く,魅力的で意義のあるものであるという好意的なイメージを持っていることがわかった.また,科学・数学・工学・技術の統合が「必要」であり「良い」ことであるという考えを持っているものの,それは「複雑」で「難しい」ことであるという認識も持っていることが明らかになった。さらに,中学校におけるSTEM教育の必要性についても生徒は肯定的であった.しかしながら,生徒には,はっきりとした工学のイメージがなく,工学の意義や内容について学習する機会を設ける必要があることもわかった.