日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
発表
自然ハザードの原因の視点を取り入れたモデル実験教材の開発
川村 教一山下 清次
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2020 年 34 巻 6 号 p. 67-72

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抄録

災害発生にはそこに至る素因と誘因がある.自然災害につながる現象(ハザード)に関する教育のために,筆者らは土砂災害に関する現象(落石,地すべり,土石流)の理解を深めさせる中等教育向けモデル実験教材を開発し,素因,誘因,現象との対比の視点から教材を分析した.この結果,落石のモデル実験については,素因を反映させた縮尺モデルとすることは可能であるが,誘因を理解させることは困難である.地すべりおよび土石流は,誘因を踏まえた縮尺モデルとすることができる.素因を理解させるためには落石モデル実験を併用すれば問題はない.これら素因や誘因について,児童生徒の学習状況に合わせて理解可能な縮尺モデルを教材とすることで,土砂災害について理解を深めさせることが期待できる.

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© 2020 一般社団法人 日本科学教育学会
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