学習指導要領の改訂により,中学校第1学年では,生物の生態や外部形態のみの内容による生物の分類の学習を行うことになった.このことにより,第1学年で扱う内容による学習だけではなく,第2学年と第3学年で扱う内容による学習も進めていく中で,中学校段階で目指すべき生物の分類に関する諸概念の構築をすることが必要である.そこで,植物の分類の学習に関する諸概念を構築するプロセスに焦点をあてることとし,適切な概念構築を図るため,小学校理科における植物の外部形態に関する諸概念(根,茎及び葉)について分析することとした.その結果,小学校段階で構築される外部形態に関する植物の根,茎及び葉の概念では,植物の根,茎及び葉を適切に区別できない可能性があることがわかり,大学生に調査してみたところ,中学校段階を終えても区別できないことがわかった.そのため,中学校段階では,第2学年で植物の内部構造の内容による学習を進める際,第1学年での植物の外部形態に関する内容を扱うことで,植物の外部形態に関する諸概念をより科学的に構築できるのではないかと考える.