2022 年 36 巻 6 号 p. 33-36
本研究の目的は,統計に関わる算数科での学びを基盤とし,その学習を実社会の問題の発見・解決に活用していく教科横断的なSTEAM教育の授業を考案し,その際の児童の実態を明らかにすることである.そこで,小学校算数科の統計的な内容,とりわけ,「D データの活用」の「②統計データの特徴を読み取り判断すること」に着目した.そして,実社会の問題として自動車の安全性を取り上げ,その問題解決のために,交通事故に関する統計データを読み取り,活用して,課題設定及び解決する授業を考案した.統計データの読み取りと活用に関する児童の実態を調査した結果,児童が設定した課題の約半数が統計データに基づいていたことが示された.