本研究では,総合的な学習の時間等においてSTEAM教育の推進が求められている現状下において,総合的な学習の時間の授業を有効に実践している小学校にてSTEAM教育の視点を取り入れた探究と創造の往還による授業実践を試みた.その授業実践を通して,STEAM教育の視点から,既往の総合的な学習の時間における課題を抽出するとともに,より探究学習を推進できる授業実践を検討した.その結果,総合的な学習の時間において示されている既往の学習過程に新たに創造活動を取り入れた指導計画を実施することができた.また,授業実践後における児童の意欲に関する分析結果から,従来の環境保護学習に対する探究活動をより発展させる学習として,STEAMのAやEの拡散的及び収束的な創造活動の視点を取り入れることにより,従来の探究活動への意欲を促進させる効果が認められた.一方で,授業実践後におけるSTEAMのSやMに対する児童の学習意欲に関しては,調べたことや実験したこと等の探究したことを製作等の創造活動へと活用しようとする側面においては課題が抽出された.