2022 年 36 巻 6 号 p. 51-54
紙工作は美術、サッカーは体育と分類し、その個々の活動の中にはScience(科学)は存在しないと考えている。学問の分化は人類の思考過程をも分化してしまう。「サッカーボールの中に秘められた数学を探す」から出発した教材は、具体的に作ることから始めて実際に手の中にサッカーボール置くことから始まった。知識を前提とした教育活動はTechnology導入によって大きく変化している。現在のような分化した効率の良い学問取得方法では新しいアイディアは生みだすことはできない。サッカーボールを作る感性とその中に存在する知識としての理性を考え、「感性と理性」の共存した学問の教育を考えた。STEAM教育が目指すことは一人の個人としての全体的思考の必要性と、物事を多角的に見ることによって、新しいものの創造にかかわる学習活動の重要性を指摘する。正しい横断的な思考とは何かを、数学教育を前提として、Technology社会にふさわしい教育活動の在り方を問う。