2024 年 38 巻 3 号 p. 13-16
数学教育の最近の傾向は公式に頼って問題が解ければよいと考えている。公式を覚えることが数学であるという考え方が,数学を考える楽しさを失わせてしまった。この公式を覚えることを,図形の面積,分数計算と2次方程式の解を求めるときの公式の使い方に見たい。また,同時に教科書では数学的な厳密性の説明を試みることによって,数学を難しく厳密にし過ぎている。教科書を読んだ後に書かれていることが理解できないままに,公式を活用する。はじめから厳密な数学の説明は避け,公式を作り出すことを,とりあえずあいまいなままになって,数学の公式依存を止めたい。数学嫌い解消と公式のみの活用で試験で高得点になることとは違う。