抄録
本研究では、学習レベルの考えを提案し、それにもとづき実際の授業を設計、実施し、その効果について報告する。筆者らは学習レベルの概念を提案し、授業への応用例を示し、毎日の授業への導入の方法を開発し、その評価をしてきた。学習レベルの設定は、教師の教授行動のレパートリーを広げ、生徒の学習面の設定のために役立ち、学習効果を大にすると考える。今回は、学習レベルや教授レベルを定義し、前回の発表に続いて、「遣伝子の構造と働き」と「腎臓の構造と働き」の授業を設計し、それぞれ第III回比較実験授業と第IV回比較実験授業として実験を行ったので報告をする。前回同様学習レベルの設定により学習効果が大になり、教師や生徒の思考過程のレベルは高くなり、教室に興味と気力が生じてくるという知見が得られた。