1993 年 8 巻 3 号 p. 41-46
小学校の理科学習では、問題解決の能力を育てること、自然を愛する心情を育てること、自然の事物・現象についての理解を図ること、科学的な見方や考え方を養うことをねらいとし、子どもの人間形成に深くかかわっている。学校での学習において、これらのねらいに迫るためには、子どもの主体性を大切にした学習活動を考えていくことが必要となる。そこで、本研究では、子ども自身の力で解決すぺき課題を見つけ、調べ方を工夫しながら解決できる学習を行えることが、子どもの主体的な学習に結びつくと考え、実践してみた。研究の視点として「教材」「課題をつかむ場」の二つをとりあげた。教材では、『発展性が期待できるかどうか』、つまり、「学習内容の全体性が含まれているかどうか」「多様な取り組みが保障できるかどうか」という面から、課題をつかむ場では、「比較対照」という面から、テーマとのかかわりを考察した。