堆積学研究
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研究報告
超大型水槽を活用した巨礫移動実験
渡部 真史吉井 匠Volker Roeber後藤 和久今村 文彦
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2020 年 79 巻 1 号 p. 15-25

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抄録

巨礫移動モデルを活用すれば,沿岸巨礫を運搬した先史時代の古津波/波浪の規模推定を実施できる可能性がある.巨礫移動モデルの開発や精度検証に活用されてきた従来の巨礫移動実験データは最大でも数十メートル程度の小規模な水槽を用いて,計測されてきた.しかし,巨礫移動モデルの精度検証には,スケーリングによる歪みが小さい大型実験装置を活用した実験データが非常に有効である.

本研究では,全長205mの超大型水路を用いた津波による巨礫移動実験を行いて,実環境に近い条件下で巨礫の移動距離,移動速度,運搬過程を計測した.本実験では0.35-0.53kgの直方体ブロックが最長45 m運搬され,運搬プロセスが滑動から転動に転移する直方体ブロックの移動速度を計測できた.本実験の縮尺は小さく,巨礫移動計算の精度検証に適した実験データであるため,沿岸巨礫研究に役立つことが期待される.

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© 2020 日本堆積学会
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