堆積学研究
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下総層群“見和層”に認められる2回の相対海水準変動の記録
茨城県南東部石岡-鉾田地域の例
横山 芳春安藤 寿男大井 信三山田 美隆
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2001 年 54 巻 54 号 p. 9-20

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抄録

茨城県石岡-鉾田地域における下総層群“見和層”を対象に詳細な堆積相解析, 侵食面・火山灰鍵層の追跡を行った結果, 2回の堆積サイクルの存在が確認できた. 下位のサイクル1は西部の大規模な谷地形を充填する開析谷埋積システムと, これを覆って調査地域全域に分布する外浜-海浜システムの堆積物からなる. サイクル2ではバリアー島・潟システムの堆積物が特徴的に発達し西部で厚く保存されているが, 東部では外浜-海浜システムの堆積物がこれを覆って分布している. 常総層は主に河川システムの堆積物からなるが, 調査地域東部では下部に海成層が認められた. シーケンス層序学的解釈を行った結果, サイクル1にはシーケンス境界 (SB1), 内湾ラビンメント面 (BRS1), 波浪ラビンメント面 (WRS1) の3枚の侵食面が認められ, サイクル2にはSB2, BRS2, WRS2, SB3の4枚の侵食面が認められた. それぞれの堆積サイクルにはTST, HSTが認められ, 2回の相対海水準変動に伴う堆積シーケンスを構成していることが判明した.

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