抄録
これまで土壌の生物性データを活用した土壌診断は実施されていないが,環境保全型農業の推進が必要とされるなか,土壌の物質循環機能を最大限発揮させるためには土壌の生物性評価が重要と考えられる。平成10年度農林水産省試験設計・成績概要集(土壌肥料部門)によれば,将来的にはバイオマスデータを窒素無機化予測の指標とする可能性,あるいは,小動物相やバイオアッセイ法により農法の違いが土壌生物相に及ぼす影響評価について等検討されている。生物データが活用されなかった理由の一つは営農現場へ向けての既存情報の提供不足によると思われるので,土壌の生物性に基づくインパクトのある指標の選択,モデル地域(圃場)でのデータの集約,そして多様なユーザーを想定したデータベースの構築が望まれる。