外科と代謝・栄養
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特  集
消化管外科領域における術後回復促進策実践での問題点
石橋 生哉
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2014 年 48 巻 2 号 p. 51-58

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抄録

  Fast‐track surgery strategy あるいは Enhanced recovery after surgery(ERAS®)といった多角的な周術期管理を行う手法が紹介され,本邦でも日本外科代謝栄養学会に ESSENSE(ESsential Strategy for Early Normalization after Surgery with patient's Excellent satisfaction)というワーキンググループも立ち上がり,徐々に広がりつつあるが,それらを実践する上で日本の社会背景に合わないものや,エビデンスが不十分なために導入をためらう部分もある.
  本稿では,ERAS®の項目の中で,早期回復促進策を行う上で注意すべき点がある部分,すなわち「術前絶飲食の廃止」,「術前炭水化物摂取」,「術前腸管処置の廃止」,「手術創の縮小化」,「過剰輸液の予防」,「胃管の早期抜去」,「早期経口・経腸栄養の実施」,「術後腸管蠕動促進剤・緩下剤の使用」,「輸液期間と固形食摂取」といった 9項目に焦点を当てて,実際に行う上で必要な知識と今後論じられるべきことについて述べた.

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© 2014 日本外科代謝栄養学会
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