外科と代謝・栄養
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特  集
臨床応用を考慮した血清 DAO 活性測定の意義(短腸症候群を中心に)
千葉 正博土岐 彰佐藤 千秋
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2015 年 49 巻 1 号 p. 1-4

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抄録

  ジアミンオキシダーゼは,小腸の粘膜上皮細胞でその活性は高く,ヒスタミン・ポリアミンの異化に加え細胞増殖の制御にも関与している.そのため小腸粘膜の integrity やmaturity の指標としてさまざまな臨床検討がされるようになった.しかし,DAO 活性を臨床で使用する場合には,その代謝臓器である肝臓の機能,活性化に必要な補欠分子族の銅の濃度などさまざまな影響を考慮しなければならない.また,腸管障害の指標として使用する場合には,障害の程度により DAO 活性の低下時期が異なるため,測定時期に注意が必要となる.特に,短腸症候群のように高度の DAO 生成障害を伴う場合でも,大腸などの他の組織で DAO が生成されるようになるため,これらの影響も評価する上で考慮する必要がある.

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© 2015 日本外科代謝栄養学会
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