抄録
アルブミン製剤(ALB)の使用にあたっては、血液法と薬機法の下で様々な施策が講じられており、両法に準じた指針、ガイドラインや制度等が通知されている。厚労省が通知する「血液製剤の使用指針」では、輸血用血液製剤と並んで、血漿分画製剤で唯一、ALBの適正使用に関する指針が示されているが、ここ数年の指針改正により、科学的根拠に基づいた内容にアップデートされている。輸血管理料の算定条件の一つとしてALBと赤血球製剤の使用量比が設定されるなど、国策としての適正使用推進により、1980年代に世界生産量の1/3に達していた同製剤の使用量は、大幅に減少した。しかし、ALBの国内自給率は改善されたものの、2016年度で58.4%に留まっており、血液法の理念を満たしていない。 平成 31 年2月 28 日付けで血液法の基本方針の全面改正が公布された。新基本方針において、国は、一部の血液製剤の国内自給の確保が改善していないことなどから、今一度、献血者、医療関係者・関係学会及び患者をはじめとする国民に向け、国内自給の現状について情報提供を行うとともに、国内自給の必要性を訴えるとしている。また、国内における免疫グロブリン製剤の需要増に対してALBの需要は減少傾向にあり、更に、組織接着剤の国内自給の減少により、未利用の中間原料が血漿分画製剤の原料血漿に発生する現状に留意し、希少疾病用医薬品を含む全ての血漿分画製剤の国内自給の確保を推進するような方策を検討する方向性が示されている。さらに、国内の血液製剤の国内自給と安定供給の確保に支障を与えないことを前提とした血漿分画製剤の輸出認可に加えて、同製剤の採算性を維持するための適正な価格交渉の必要性も示されており、過去の改正とはやや趣を異にしている印象が強い。
科学的技術の発展を踏まえた採血等の制限の緩和、採血業の新規参入に対する許可基準の明確化、ガバナンスの強化などを含む血液法の改正が審議されるなかで、われわれ医療関係者は、これまでと変わらず、血液製剤の国内自給確保と適正使用という血液法の理念に基づいた医療を行う必要がある。特に、患者への適切かつ充分な説明と同意取得の原則に加えて、血漿分画製剤の原料の由来を患者に説明する環境整備を進めることが求められている点にも留意すべきであると考える。