外科と代謝・栄養
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特集「Bench to Bedside:基礎研究成果からみた臨床栄養管理への提言」
高度侵襲下におけるインスリン療法
−激論の顛末と真相−
寺島 秀夫
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2019 年 53 巻 6 号 p. 315-326

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抄録

 重症病態下における厳密な血糖管理 (tight glycemic control : TGC) の最適解は, いまだ不明である. 2001年, LeuvenⅠstudyは, 強化インスリン療法 (intensive insulin therapy : IIT) の画期的な治療成績を提示したが, その後, 数々の追試においてIITの有効性が実証されることは一度もなかった. その要因は, IITの理論上の誤りではなく, LeuvenⅠstudyに内在した栄養管理の特異性 (overfeeding) とともに, プロトコル型血糖管理方法に起因する血糖値制御の不確実性であったと結論される. IITの是非を巡る論争は, 最終的にearly full feedingの有害性を剔抉するにいたり, 栄養療法ガイドライン変革の遠因ともなった. 栄養投与量の適正化がなされ, コンピュータ制御血糖管理が容易に実行可能となった現在, 最適なTGCの解明に向けて新たな幕開けを迎えた.

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© 日本外科代謝栄養学会
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