外科と代謝・栄養
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特集「L-カルニチン欠乏症とL-カルニチン投与の有用性」
L‐カルニチン投与の臨床的効果
―とくにエネルギー代謝・骨格筋保護に対する効果について―
櫻井 洋一
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2020 年 54 巻 2 号 p. 85-91

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抄録
 L‐カルニチン (L‐carnitine;以下LCARと略) はエネルギー代謝に深く関わる重要な栄養素であり, 日本人の食事摂取基準では必須栄養素として列挙されてはいないがLCAR欠乏症となると重篤な臨床症状を呈し, 極度のQOLの低下をきたす. LCARは生体内にて生合成されるが, LCARプールの大部分は食事由来であるため経口摂取不可能な患者では容易にLCAR欠乏症となる. 経口摂取が不可能な患者で長期的に栄養管理が必要な場合にはLCAR含有栄養剤を使用する必要がある. 高齢者において栄養不良やサルコペニアとなると生体内LCARプールが不足しやすくカルニチン欠乏に陥ることからカルニチン欠乏症予防や骨格筋に対する筋肉痛などのストレス軽減の観点からも栄養管理に用いるTPN製剤・医薬品扱いの経腸栄養剤にもカルニチンを含有した製品を積極的に使用することが望ましい. またLCAR不足のない健常者に対してもLCAR投与することにより脂肪酸化を促進しエネルギー代謝を改善することからアスレティックパーフォーマンス向上効果や骨格筋保護効果を認めることからその有用性が期待される.
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© 2020 日本外科代謝栄養学会
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