外科と代謝・栄養
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特集「災害下におけるNST 活動」
新型コロナウイルス感染症蔓延下での感染症対策およびNST活動の工夫
鈴木 伸康
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2022 年 56 巻 1 号 p. 26-29

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抄録

 新型コロナウイルス感染 (COVID‐19) は全世界に感染を拡大させ, WHOが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言する世界的大流行(パンデミック)の状態を引き起こした. 日本国内でも感染者は増加し, 福島県内でも終息の見込みはいまだ見られず, 大規模災害級の有事といっても過言ではない. 総合南東北病院では新型コロナウイルス感染症への対策として, 複数診療科による感染対策チームを立ち上げ, 隣接する南東北第二病院に専用フロアを作り, 通常診療から隔離しながら感染症診療している. 入院患者は, 感染管理にばかり目が行きがちであるが, 患者の既往歴や, アレルギー, 宗教などへ配慮した食事提供, 栄養管理を行っている. NST活動は感染により介入件数が減少傾向であるが, NST専門療法士を中心とした職種チーム制で, 介入患者の情報, 方針を整理し, NST回診, 検討会の時間を短縮する工夫をしながら継続している. また, オンデマンド方式のNST勉強会を導入し, NSTからの情報発信を持続するよう努めている. 当院でのCOVID‐19に対する感染対策及びNST活動の工夫について報告する.

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© 2022 日本外科代謝栄養学会
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