外科と代謝・栄養
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特集 「未来医療を科学する」
“Organ‐on‐a‐chip”の外科・代謝栄養学への応用の可能性
堀 武志梶 弘和
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2023 年 57 巻 4 号 p. 85-87

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抄録

 従来のシャーレを用いた細胞培養系は, 医学・生物学の発展に大きく貢献してきた一方で, 生体内の微小な環境下で起きる細胞間,細胞‐物質間の相互作用を厳密に再現できないという限界がある. この問題を解決するため, マイクロメートルオーダーの微小な空間内で培養液や細胞足場材料などを厳密に制御しながら細胞培養を行うOrgan‐on‐a‐chip(OoC)技術の研究が活発に行われるようになった. 種々の臓器細胞を搭載したOoCが開発されており, 生体組織を模倣した膵島細胞,肝細胞,皮膚細胞などが培養できるようになった. OoCに各種センサーを組み込むことによりさまざまな応用の可能性が広がり, 今後, 研究や臨床の場で必要不可欠なアイテムになるものと考えられる.

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© 2023 日本外科代謝栄養学会
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