2025 年 59 巻 5 号 p. 115-117
食道表在癌の診断において, AI技術を利用した消化管内視鏡検査では高い診断精度が報告され, すでに実用化されている. 現在, 軟口蓋の画像を利用した新たなAI診断システムが構築され, 食道癌ハイリスク群の分類成功率は86%と良好な成績が報告された. スマートフォンなどを用いて口の中を撮影し, 飲酒歴などの臨床データと組み合わせることで, 簡便に食道癌のリスク分類が可能となるモバイルアプリの開発が進んでいる. また, 食道癌の周術期に重要であるリハビリテーションにおいては, 手術前のプレハビリテーションの普及に伴い, モバイルアプリやウェアラブルデバイスが患者のモチベーションを向上させ, その効果を上げるツールとして期待されている. 実際, 本邦からの研究では, ウェアラブルデバイスを利用したリハビリテーションが手術後の合併症を減少させ, 入院期間を短縮する結果が報告されている. さらに, 海外においてヘルスケアモバイルアプリを用いた栄養・運動管理の研究が行われている. 今後, より実用的で社会実装可能な食道癌診療AIモバイルアプリの開発が期待される.