2025 年 59 巻 5 号 p. 131-136
背景: ロボット支援下膵頭十二指腸切除術 (robot assisted pancreaticoduodenectomy: RPD) は従来の開腹PD (open PD: OPD) に比較しより微細な操作, 創長の短縮を可能とした. 他腹部疾患におけるロボット支援下手術における短期手術成績や術後栄養状態に与える優位性が膵切除において検討された報告は少なく, 今回当院の症例を用いて検討することとした.
方法: 2017年1月から2023年12月の期間中に当院で施行されたPD施行例をRPD群, OPD群の2群にわけ, 短期手術成績と術後栄養指標を後方視的に比較検討した.
結果: 対象となるRPDは23例, OPDは34例であった. 手術時間においてRPD群はOPD群に比べて延長し (以下中央値: RPD群556分, OPD群472分), 術中出血量は減少していた (RPD群111 mL, OPD群861 mL). 術後合併症はRPD群で合併症は少なかった[RPD群1例 (4.3%), OPD群12例 (35.3%)]. 術後7日目のPNIはRPD群35.3, OPD群32.5, 術後14日目のPNIはRPD群37.9, OPD群35.1でRPD群は術後のPNIが早期に回復していた.
結語: RPDは術後合併症の発生率低下に寄与し, 栄養状態改善にもつながる可能性がある.