外科と代謝・栄養
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特集 「外科代謝栄養学の伝承を支える基礎研究と臨床の接点」
Beta‐hydroxy‐beta‐methylbutyrate によるマウス腸管免疫の修飾:静脈栄養管理,経口摂取時の影響の差異
高山 はるか深柄 和彦
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2026 年 60 巻 2 号 p. 41-45

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抄録

 腸管には免疫を維持するための腸管リンパ装置 (gut-associated lymphoid tissue; GALT) が備わっており, 非経腸栄養時において萎縮することが知られている. われわれはタンパク合成やアポトーシス抑制などの効果をもつbeta‐hydroxy‐beta‐methylbutyrate (HMB) に注目し, それが静脈栄養管理, 経口摂取時それぞれにおいて, 宿主の腸管免疫をどのように修飾するかマウスモデルで検討した.

 静脈栄養管理の検討では, マウスを通常食餌群, 標準TPN群, Ca‐HMBを600 mgまたは2,000 mg/kg/日量含有したTPNを投与する群 (H600, H2000群) に分け, 5日間の栄養管理を施し評価した. 結果, H2000群においてGALTリンパ球数の減少が中等度抑制され, 組織学的評価においてもHMB投与群で腸絨毛高, 陰窩深の萎縮抑制を認めた. 続く機序探索の検討では, HMB投与群でmTORとBcl2の発現増強ならびにKi67陽性細胞の増加, さらにはアポトーシス陽性細胞の減少が観察され, これらの因子が関与している可能性が示唆された. 一方, IgAレベルに群間差はなかった. 経口摂取時の検討では, HMBを投与してもGALTリンパ球数やIgAレベルの強化にはいたらなかった.

 今後の検討として, われわれはHMB含有TPNの腸管免疫への効果に関するより詳細なメカニズムの検討を計画している. それらが栄養療法の発展の一助となっていくことを期待する.

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