サルコイドーシス/肉芽腫性疾患
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四肢筋に広範に進展した腫瘤型筋サルコイドーシス
西武 孝浩宮崎 英士安東 優深見 徹二朗松野 治上野 拓也濡木 真一伊東 猛雄大久保 俊之竹中 隆一広重 滋夫小野 恵美子熊本 俊秀
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2006 年 26 巻 1 号 p. 51-56

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抄録
症例は47歳の女性. 1997年に両ぶどう膜炎と診断された. 1年後に右腓腹筋内に腫瘤が出現し, 摘出標本の病理組織像は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫であった. 縦隔・肺門リンパ節腫大, 気管支肺胞洗浄液中リンパ球増加, CD4/8上昇がみられ, 眼, 胸郭内病変を伴う腫瘤型筋サルコイドーシスと診断した. 腫瘤はMRIではT1, T2強調画像ともに高信号を呈し, ガドリニウムで増強された. ガリウムシンチグラフィーでは結節状の集積として認められた. その後, 7年の経過で筋腫瘤は徐々に増加し, 四肢筋全体に広がっていった. 初診時には正常であった血清アンギオテンシン変換酵素, リゾチームは7年後にはそれぞれ74.6IU/l, 46.0μg/mlまで上昇し, MRI上, 高信号域は下腿筋全体から上下肢に広がり, ガリウムシンチグラフィーでの取り込みも上下肢びまん性になった. しかし筋萎縮, 筋力低下はみられていない. 筋腫瘤型とミオパチー型の異同を考える上で貴重な症例と考え報告する.
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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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