抄録
サルコイドーシスは30-60%の患者に肉芽腫性ぶどう膜炎を中心とした眼症状を呈し, 国内のみならず海外諸国でもぶどう膜炎の主要原因疾患である. 各国での診断基準は様々であるため, 非侵襲的かつ国際的に共通な診断基準の作成が望まれる. このため, “The First International Workshop on Ocular Sarcoidosis”が2006年に東京で開催され, 10カ国から26名の眼科医と2名の呼吸器科医のサルコイドーシス専門家が診断に重要と思われる眼所見および全身検査について討議し, 眼サルコイドーシスを示唆する眼所見7項目, 眼サルコイドーシスを支持する全身検査所見5項目, ならびに4段階の眼サルコイドーシス診断基準が提案された. これらの妥当性をぶどう膜炎患者370名で検討すると, 眼所見では7項目全て, 全身検査所見では4つの項目で診断パラメータは高い数値となった. 同様の検討は海外でも施行する必要があり, 今後更なる改訂を要するものと思われる.