土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
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蒸発法における不飽和水分移動特性推定の最適条件の検討
坂井 勝取出 伸夫
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2007 年 106 巻 p. 33-46

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抄録
蒸発法による水分移動特性の推定における適切な実験条件や推定方法にっいて,不飽和透水係数に焦点を当てて検討した。まず,シルト質土からの蒸発過程の数値実験を行ない,van Genuchten-Mualemモデルのパラメータの土中水圧力変化に関する2次元応答曲面を用いて,パラメータの感度とパラメ ー夕間の相関を示した。間隙結合係数lは,パラメータaと強い負の相関,また飽和透水係数尺と強い正の相関を持っため,初期値により収束する値が異なる可能性が示された。また,可能蒸発速度を大きくすること,試料長を長くすること,表面付近の土中水圧力を用いることは,収束条件を改善する上で有効であることが示された。次に,藤森シルトに対する蒸発実験の土中水圧カデータより,水分移動特性の推定を行なった。推定の信頼性は,試料長が長いほど,また圧力測定が表面に近いほど高くなった。また,2地点の土中水圧力を用いることで,推定値の信頼度が高まることを示した。
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© 2007 土壌物理学会
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