抄録
土壌中の水分が欠乏したり塩類濃度が上昇したりして,植物がストレスを感じると,植物は環境適応応答の過程で浸透圧調節物質を誘導合成する。環境適応応答を通じて浸透圧調整物質が植物体内で増減すれば,それらがイオン伝導や電気双極子を持つことから,植物体は自身の誘電緩和スペクトルを変化させるであろう。この現象を,マイクロウエーブの透過性を利用して捉えることによって,植物の環境適応応答を非破壊的検出が可能になるかもしれない。本研究では,植物に塩環境に適応応答させながら植物葉部の誘電緩和スペクトルの変化を測定•解析した結果,植物の環境ストレス適応応答の非破壊的•定量的評価可能性を示す結果が得られた。