土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
異なる地表面被覆が室内人工降雨試験下における傾斜裸地からの侵食に及ぼす影響
大西 泰介加藤 誠西村 拓
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2008 年 108 巻 p. 53-65

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抄録
傾斜土壌槽(8度)と人工降雨装置を用いた実験を行い,裁断稲ワラまたは木質混合牛糞コンポストによる被覆が裸地表土の降雨下における地表面流出,土壌流亡発生に及ぼす影響を地表面被覆率との関係から考察した。土壌槽充填の黒ボク土に各々の被覆材について異なる被覆率,0, 30 (稲ワラ被覆)または35 (コンポスト被覆),および60 (両被覆材)areal%,で被覆を行ない,直後に平均45.1mmhr-1で100分間の降雨を与えた。その結果,全被覆条件について無被覆条件に比べ侵食量が抑制された。他方,被覆の有無,程度による地表面流出量の抑制は無く,逆に,牛糞コンポスト被覆60 areal% 無被覆よりも多い地表面流出量を示した。地表面流出が増えた原因として局所的に被覆物傍らに形成された堆積クラストによる透水性低下が観察された。
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© 2008 土壌物理学会
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