抄録
粒度試験(JIS A1204)では,ふるい分析結果と沈降分析結果がうまく接続しないことがある。これは浮ひょうを用いる沈降分析ではさまざまな原因から誤差が発生し,加積通過率や粒径の計算に誤差が含まれるためと言われている。このことを試算によって明らかにした。また,浮ひょうの器差,水の密度誤差,水の粘性係数誤差を明らかにし,これらによって補正した沈降分析結果は追加した 45 μmふるい, 32 μmふるい, 20 μmふるいによるふるい分析結果とおおよそ一致することを確認した。簡便な修正方法として, 32バmふるいによるふるい分析を追加し,粒径 32 μmにおけるふるい分析と沈降分析の加積通過率の差を沈降分析に含まれる定誤差とみなし,この誤差を沈降分析の加積通過率から差し引く方法は有用である。