抄録
都市域における持続可能な水利用システムを構築するためには,都市内自己水源の利用の可能性を評価することが必要である.都市内自己水資源を確保するために,下水処理水や雨水等を地下水涵養することは有望なオプションとして期待される.そのためには,その「質」の動態変化を理解し,水利用用途の視点からその許容性を含めた検討が求められる.本報では,下水二次処理水と道路排水を対象として,関東ローム土壌への浸透による水質浄化能をカラム実験によって調査し,その結果を比較することで多様な汚染物質に対する土壌浸透処理の有効性を評価した.さらに,水利用の観点から,一級河川の水質と相対比較することで,土壌浸透水の水質リスクを理解しやすい形で提示した.