抄録
農耕地由来の微量温室効果ガスであるメタン(CH4)および亜酸化窒素(N2O)の圃場スケールにおける測定方法として,チャンバー法とその測定値の持つ不確実性について解説した.さらにその測定値から広域における年間放出量を求める手法である代表値法(’Measure and Multiply’ method)および排出係数法(Emission Factor method)を用いた計算方法,およびプロセスベースモデルを用いた計算方法について説明した.そして,評価値の広域化の際に含まれる不確実性について言及し,より簡易かつ正確に排出量を見積もるツールとして期待されるプロセスベースモデルとそのガス交換量予測値の持つ不確実性について言及し,その不確実性を改善するためのアプローチについて述べた.