土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
123 巻
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  • 諸泉 利嗣
    2013 年 123 巻 p. 1
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/12
    ジャーナル フリー
  • 谷 昌幸
    2013 年 123 巻 p. 5-10
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/12
    ジャーナル フリー
    土壌有機物は土壌の様々な機能を担う主要な構成成分であり,土壌の化学性や物理性,ならびに土壌肥沃度を大きく支配する.土壌有機物はいくつかの種類に分けることができるが,その主体は腐植物質である.一方,農耕地土壌に有機物を施用することにより土壌有機物の機能を引き出すことも期待される.ここでは,土壌有機物や腐植物質の種類と機能について概説するとともに,農耕地土壌における家畜ふん尿や堆肥など有機物施用の役割と意義を再考する.
  • 竹内 晴信
    2013 年 123 巻 p. 11-17
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/12
    ジャーナル フリー
    北海道の環境保全型農業では,有機物の合理的かつ効果的な利用指針が定められており,有機物施用時の定量的な減肥量が算出できる.たい肥施用上限量は 50 t ha‒1y‒1 としているが,実際の施用量は少ない.十勝農試の有機物長期連用試験では,残渣を含めた施用有機物の総乾物重増加に伴い,土壌理化学性の改善効果や作物の増収効果が認められた.
  • 赤坂 浩
    2013 年 123 巻 p. 19-24
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/12
    ジャーナル フリー
    北海道の畑地で実施している各種基盤整備事業(農業農村整備事業)のうち,有機質資材を用いたオホーツク地域での土壌改良と,疎水材に木質系チップ(カラマツチップ)を用いた上川地域での排水改良の事例について解説した.オホーツク地域の土壌改良では,まず保水性改善のために火山灰を客土し,次いで客土による作土層の腐植含有率低下を補うため,有機質資材(牛糞堆肥)を投入した.施工後の作土層の腐植含有率目標値を 5 %とすると,計算上は大量(190 ~ 350 t ha‒1)の堆肥施用が必要となった.しかし,実際には作物生育と環境負荷への影響を考慮して,一律 40 tha‒1 の施用にとどめており,腐植含有率目標値の見直し等の課題が残されている.一方,上川地域の排水改良では,疎水材にカラマツチップを利用すると,工事実施に伴い二酸化炭素として排出される量の約 20 倍の炭素を畑地下層土に貯留可能と試算され,地球温暖化緩和策として有効である.
  • 関谷 長昭
    2013 年 123 巻 p. 25-30
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー
    地球温暖化の視点から,耕起を伴う畑土壌で特に炭素濃度の高い土壌の炭素減耗がより早いとの指摘がなされている.このことから,我が国有数の畑作地帯である十勝地域において特に炭素濃度の高い多湿黒ボク土の炭素動態に注目する必要がある.十勝管内耕地における排水不良土壌に対して,生産性向上を目的とした排水改良工事が組織的に行われてきた.排水不良土壌の代表的土壌である多湿黒ボク土の排水効果が十分発現したと思われる 2007 年にはこの土壌の乾燥化により土壌有機物の分解が促進されていると考えられる.この土壌の有機物の減耗を抑制するための対策が必要であることが示唆される.
  • 岡崎 智哉
    2013 年 123 巻 p. 31-35
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー
    十勝の有機物(収穫残さ,緑肥,家畜ふん尿)利用の実態について,本会が 1999 年に取りまとめた十勝管内土づくり実態調査報告書を中心に紹介する.(1)収穫残さは直接圃場にすき込まれている割合が高く,小麦の麦稈は敷料として酪農・畜産農家へ交換・売却されている割合が高い.(2)緑肥については小麦収穫後にえん麦が作付されている割合が高く,一部えん麦野生種についてはセンチュウ抑制のために作付けされていると考えられた.(3)十勝管内で発生する家畜ふん尿は,ほとんどが牛の排泄物で主に農地還元されており,酪農地域では過剰に投入されている傾向が見られるため,畑作地域への有効活用に向け,堆肥の高品質化や広域流通等の課題解決に向けた取り組みが求められている.
  • 柏木 淳一, 岩田 幸良, 中辻 敏朗
    2013 年 123 巻 p. 37-41
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー
  • 岩田 幸良
    2013 年 123 巻 p. 51-53
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー
  • 赤羽 幾子, 牧野 知之, 加藤 英孝, 中村 乾, 関谷 尚紀, 神谷 隆, 高野 博幸
    2013 年 123 巻 p. 55-63
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー
    塩化鉄(Ⅲ)を用いた化学洗浄法は,Cd 汚染農地から Cd を除去し,修復するために開発された技術である.本研究では塩化鉄(Ⅲ)を用いたオンサイト(現場)洗浄を Cd 含量の高い圃場(礫質灰色低地土,0.1 M HCl 抽出 ‒Cd 含量:0.56 mg kg‒1,粘土含量:0.15 kg kg‒1,陽イオン交換容量:13 cmolc kg‒1)で実施し,洗浄処理が土壌理化学性とオクラの生育に与える影響を調査した.化学洗浄では強度の代かきを行うため,洗浄翌年の耕起前の土壌の一軸圧縮強度と耕うん後の土塊径分布に好ましくない影響を与え,砕土性が低下した.オクラの出芽と生育にも負の影響が見られた.しかし,これらの影響は持続的なものではなく,栽培 2 年目と 3 年目には土塊径分布やオクラの生育は洗浄区・無洗浄区の間にほとんど違いがなかった.一方,洗浄区のオクラ果実中 Cd 含量は無洗浄区の 0.3 ~ 0.5 倍と一貫して低く,化学洗浄による Cd 吸収抑制効果の持続性が認められた.化学洗浄は作土からのマグネシウムとカリウムの損失をもたらしたが,これらは化成肥料や土壌改良資材の施用で矯正可能と考えられる.以上より,塩化鉄(Ⅲ)を用いた化学洗浄は,Cd 汚染土壌の修復によるオクラの Cd 吸収リスク軽減に有効な技術であることが明らかとなった.
  • 深田 耕太郎, 中村 公人
    2013 年 123 巻 p. 65-71
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/13
    ジャーナル フリー
    土壌の通気性に関して,パーコレーション理論の適用可能性が指摘されている.また,二領域モデルはパーコレーション理論の適用範囲の存在を示唆するものと考えられる.しかし,両者の関係は明らかになっていない.そこで本研究では,二領域モデルとパーコレーション理論の関係を明らかにし,連続性の視点から通気性を説明することを目的とした.鳥取砂丘砂を用いて気相率と通気係数を測定し,連続気相率が全気相率と等しくなる点を境に二領域を設け,通気係数と連続気相率の関係にべき乗則を当てはめた.その結果,各領域で異なるべき指数が得られ,それぞれで異なる通気メカニズムが働くことが示された.また,臨界点近傍における指数の値は 2.12 ± 0.40 となり,パーコレーション理論による値とおよそ一致した.その指数のうち,連続性による寄与が 1.72 ± 0.15 であることが明らかとなった.
  • 西脇 淳子, 宮﨑 毅, 溝口 勝
    2013 年 123 巻 p. 73-79
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー
    Partitioning Interwell Tracer Test (PITT) は,帯水層に存在する Non‒Aqueous Phase Liquids (NAPL)量を推定するための有効な手法である.NAPL 量は,トレーサーの破過曲線(BTCs)から決定される非分配トレーサーの移動に対する分配トレーサーの遅延係数によって推定される.しかしながら,NAPL が可動性のプール状で存在するような,もしくは汚染が広範囲にわたるような NAPL の高濃度領域がある実際の現場では,すべての PITT において平衡分配が成り立つとは限らない.本研究では,NAPL を吸収させた多孔体の直径に着目して 5 種類の実験を行った.その結果,PITT によるNAPL 量の推定精度はその直径に影響されないことが確認された.一方,BTCs のテーリングは直径に影響されることがわかった.NAPL を吸収した多孔体の直径が大きくなると,トレーサーの多孔体内部での拡散距離が長くなり,それによって BTCs のテーリングが顕著になったと推察された.
  • 亀山 幸司, 宮本 輝仁, 塩野 隆弘
    2013 年 123 巻 p. 81-88
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー
    本研究では,さとうきび由来のバイオチャーの島尻マージおよび豊浦砂への混入が土壌の熱伝導率に与える影響について検討した.バイオチャー混入土壌と無混入土壌を準備し,それぞれを加水調整しながら,体積含水率と熱伝導率の関係を測定したところ,土壌に関わらず,バイオチャーの混入により熱伝導率が低下する結果となった.各土壌ともに,バイオチャーの混入により de Vries で推定される固相の熱伝導率は低下し,固相率は減少(間隙率は増加)した.de Vries モデルを用いた試算結果により,島尻マージにおける土壌の熱伝導率の低下に対しては,固相率の減少(間隙率の増加)が一定に寄与しており,体積含水率が多くなるにつれて固相の熱伝導率の低下の寄与が増加することが推察された.また,豊浦砂における土壌の熱伝導率の低下に対しては,固相率の減少(間隙率の増加)の寄与が大きいと推察された.これらの結果から,バイオチャー混入による土壌の熱伝導率の低下に対しては,固相率(間隙率)変化と固相の熱伝導率変化が寄与しており,その寄与度は土壌の固相の熱伝導率,固相率,間隙率の変化の大きさによって異なることが示唆された.
  • 古賀 伸久
    2013 年 123 巻 p. 89-92
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー
    モデルによる農地の土壌炭素蓄積量の広域評価には,作物の種類や品種,栽培時の土壌や気象などの環境条件,小麦の例のようにわらを刈り取る高さなどの現場の状況を反映させた作物残さ由来の炭素投入量のデータが必要である.今のところ高解像度とはいかないが,植物のアロメトリーの関係を用いて,作物残由来の残さ投入量を市町村単位で求めることができた.今後は,農協や普及センターが管理するほ場単位での情報などより空間解像度の高い情報を活用すれば,ほ場単位での作物残さ由来炭素投入量の推定や土壌炭素蓄積量の予測が可能になるだろう.また,土壌炭素蓄積量の増減に対しては,作物残さの持ち出しによる影響が大きいことを明らかにした.
  • 橋本 昌司
    2013 年 123 巻 p. 93-99
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー
    本報では,日本の森林土壌を例に土壌炭素動態の広域モデリングについて解説を行った.なぜ森林土壌炭素が重要なのかを簡単に解説した後,モデルの種類と構造,広域にモデルを適用すること,日本の広域評価に適した代表的なデータセットの紹介などを行った.また,日本の森林土壌炭素の広域評価についての既存の研究をレビューするとともに,なぜ森林土壌炭素の評価が難しいかを解説した.最後に今後の研究展開について述べた.
  • 片柳 薫子
    2013 年 123 巻 p. 101-108
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー
    農耕地由来の微量温室効果ガスであるメタン(CH4)および亜酸化窒素(N2O)の圃場スケールにおける測定方法として,チャンバー法とその測定値の持つ不確実性について解説した.さらにその測定値から広域における年間放出量を求める手法である代表値法(’Measure and Multiply’ method)および排出係数法(Emission Factor method)を用いた計算方法,およびプロセスベースモデルを用いた計算方法について説明した.そして,評価値の広域化の際に含まれる不確実性について言及し,より簡易かつ正確に排出量を見積もるツールとして期待されるプロセスベースモデルとそのガス交換量予測値の持つ不確実性について言及し,その不確実性を改善するためのアプローチについて述べた.
  • ITO Akihiko
    2013 年 123 巻 p. 109-116
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー
    陸域プロセスモデルを用いた広域スケールでの大気-土壌間フラックスの評価に関して,温室効果ガス(CO2,CH4,N2O)を中心に解説した.地域~全球スケールで用いられるプロセスモデルの概要を説明し,土壌呼吸,CH4 酸化吸収,CH4 生成放出,N2O 放出について推定法の概略を示した.現在の広域スケール評価における問題点として,基礎データの拡充,モデルの詳細さとシンプルさのトレードオフ,特殊な土壌への対応を挙げ,考察を行った.
  • 高田 裕介, レオン 愛, 中井 信, 小原 洋, 神山 和則
    2013 年 123 巻 p. 117-124
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/20
    ジャーナル フリー
    わが国の農耕地における土壌情報で特に重要なものがデジタル農耕地土壌図と土壌環境基礎調査データベースである.本研究では,公開されている土壌情報の利活用の一例を示すために,土壌情報閲覧システムに収録されている農耕地土壌図および作土層の理化学性データベースを用いて炭素および窒素賦存量の全国試算を行い,それらの時空間的な変動を解析した.作土層中の炭素および窒素賦存量の平均値は有機質土壌グループおよび黒ボク土グループで高かった.また,炭素賦存量の主たる土壌群毎の経時変化は,水田で一定,普通畑で減少傾向,樹園地および牧草地で増加傾向にあった.他方,窒素賦存量の平均値は全ての地目において増加傾向であり,炭素/窒素比は減少傾向となった.作土層中の炭素および窒素総量は 235 から 218 Tg C へ,また窒素総量は 19.0 から 18.4 Tg N へと減少したが,農耕地面積の減少傾向とは一致しなかった.本結果は適切な土壌管理によって,耕地面積の減少による炭素および窒素賦存量の減少を抑制できるということを示している.
  • 木村 園子ドロテア
    2013 年 123 巻 p. 125-128
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/20
    ジャーナル フリー
    物質循環に関する環境問題を扱う際,物質の動きを時空間的な広がりを持って解析することが不可欠であり,物質循環の時空間的な広がりの把握,すなわち広域評価が求められている.広域評価では,まず,測定手法による制約が存在する.測定手法は,それぞれの手法特有の利点および欠点を有し,対象とする時空間スケールが限定される.どのスケールを目的とするかによって,手法を選ぶことが求められる.対象とする時空間スケールにより,測定手法だけでなく対象となるみかけの要因も変化する.広域レベルでは,すべての現象や要因を測定することは不可能であるため,対象とするスケールの下位レベルで行われた測定結果をスケールアップに使用する際,この点に特に注意する必要 がある.測定手法による違い,測定における誤差,時空間の変動,使用するデータの代表性といった要因は,広域評価の推定結果の信ぴょう性を左右する.その結果,生じる不確実性については,誤差伝搬の法則,可能な最大値・最小値の範囲,モンテカルロシミュレーションなどによって定量化をすることが可能である.変動幅には,平均値だけでは得られない情報が多く含まれており,今後の研究の発展へ結びつく可能性がある.広域評価の必要性が増している今,研究分野間の連携を深め,結果の解釈方法,使用方法に不確実性を定量的に含め,解析に反映していくことが,広域評価の結果の精緻化,ならびに,モニタリング手法の改善,新たな研究対象の発掘につながる研究リンクのカギとなるのではないかと考えられる.
  • 深田 耕太郎
    2013 年 123 巻 p. 129
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/20
    ジャーナル フリー
  • 中辻 敏朗
    2013 年 123 巻 p. 132
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/08/20
    ジャーナル フリー
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