抄録
日本における土壌物理学研究の全体像を把握することを目的に,土壌物理学会が発行している「土壌の物理性」と「土壌物理学会大会講演要旨集」(以下,要旨集)の計量書誌学的解析を行った.VOSviewerを用いて,タイトルと概要,著者,所属機関を解析した.文献に含まれる用語数が多い点,最新の研究テーマが反映されている点,純粋な共同研究関係が見られる点から要旨集を解析対象にすることがより良いと分かった.日本の土壌物理学研究は水田土壌の物理性把握や測定手法の開発から始まった.その後は1989 年から2018 年まで,時代の変遷に伴う背景や社会的要請に適応した研究が活発にすすめられた.2019 年からの近年では,水田土壌や測定手法といったかつて研究されてきたテーマへの関心が再び高まり,研究課題がより深く掘り下げられていることが明らかとなった.本研究で,日本における土壌物理学会の全体的な動向を把握することができた.