抄録
農地において効率的な灌漑や施肥管理を行うためには土壌の水理特性の把握が重要である.水分拡散係数D(θ ) は水理特性の重要なパラメータであり,Bruce and Klute 法(従来法)で直接決定可能であることが広く知られているが,従来法では実験時間の短縮や作業の簡略化が課題として残っている.本研究ではtime domain reflectometry(TDR)土壌水分計を用いた定点観測法を提案し,従来法および従来法にTDR 水分計を付加したTDR 法と比較した.定点観測法では迅速かつ簡易にD(θ ) が決定可能であったが,測定に高い時間分解能が必要であることが明らかになった.TDR 法では従来法の課題であった煩雑な作業を解消でき,簡易にD(θ ) を決定可能であった.すべての方法で決定したD(θ ) は0.01 から10 cm2 s−1 の間にあり,同様のオーダーであったため,TDR 土壌水分計を用いた水平浸潤実験は有用
であることが明らかになった.