抄録
土壌水分移動シミュレーションにおけるvan Genuchten(VG)モデルの飽和近傍での不飽和透水係数の変化の影響を評価した.4 種の土壌を用いたHYDRUS-1D による自由排水解析の結果,n が小さい土壌では,VG モデルが飽和付近で透水係数を著しく低下させるが,慣習的な空気侵入圧−2 cm を設定した修正VG モデルではその低下を抑制した.粗大間隙を含みn が小さく飽和透水係数が大きい土壌での実測値との比較では,慣習的な修正VG モデルが透水係性を過大評価し,通常のVG モデルの方が実測値を良好に再現した.一方修正VG モデルにおいても,空気侵入圧を0 に近づけることで再現性が向上した.間隙結合係数の感度解析では予測値へ及ぼす影響は非常に小さかった.以上より,対象としたような土壌ではVG モデルを間隙結合係数を検討しつつ使用するよりも,空気侵入圧を検討しつつ修正VGモデルを用いるべきであると示唆された.