抄録
苗の根系構造を評価,定量する簡単な方法を検討した。これは,透明なトレイセルを試作し,画像解析システムで測定する方法である。本実験で対象にした苗はトマト(Lycopersicon esculentum Mill.)苗である。本研究の目的は (1)透明なトレイセルを用いてマシンビジョンにより育苗中の根の生長を定量的に計測する技術の開発;(2)トレイセルの縦壁面で観測される根の面積(PRDD)を解析するプログラムの開発;(3)エアプルーニングトレイセル内における苗の根の生長を5段階に分けて各段階でのPRD値の特徴の把握などをすることにある。計測結果の解析から,根の発育状況を表すためのPRD測定や,形状の違うセル内での根端構造の解析のために,この方法が使用できることが分かった。また本法はエアプルーニングの効果やトレイセルの適切なサイズおよび形状の設計にも利用できると考えられる。