抄録
新しく開発された雨水利用システムの性能を評価した。この雨水利用システムは,屋根に降った雨水を地下に埋設された貯留タンクに一時的に貯め,貯留タンクから溢れた水を貯留浸透槽に導き,地下に浸透させる。貯留浸透槽は底面および側面からの余剰水を浸透させるよう設計されているため,浸透槽の処理能力を知るには,土中への浸透流量を計算する必要がある。この貯留浸透槽が埋設されている現場では,土壌表面の透水係数は非常に小さく,貯留浸透槽が埋設されている立川ローム層では透水係数が地表面に比べて大きいことが分かった。ゲルフパーミアメ ーターの解析に広く用いられている定水位円筒型井戸からの定常浸透流解析法を元にして,矩形浸透升からの定常浸透流簡易予測法を提案した。この予測法を用いて,土壌の透水係数と矩形浸透升の大きさを与えることで,定常浸透流量を計算することができた。