土壌の物理性
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ADR水分計のデータを用いた不かく乱土壌の乾燥密度推定に関する研究
ウィジャヤ クリサンディ西村 拓加藤 誠中川 雅允
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2004 年 97 巻 p. 3-12

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抄録
ADR水分計で測定した体積含水率と湿潤密度または含水比を用いて不かく乱土壌の乾燥密度の推定を試みた。実験は東京農工大学栄町圃場で2回行った。50 cm間隔で9X9の格子状の点で不かく乱土壌のサンプリングとADR水分計の測定を行った。 2 回目の実験では地表面の乾燥層(約 1 cm)を除去してからサンプリングならびに測定を行った。乾燥密度の推定値は相関係数(R2)が体積含水率と湿潤密度を用いた推定値が 0.5 から 0.7 ,含水比と体積含水率を用いた推定値が 0.4 から 0.6 と実測値とかなり良く 一致した。ADR水分計の測定値と炉乾燥による実測値の差と併せて考察すると,ADR水分計の精度が乾燥密度推定の精度に影響することがわかった。また,地表面の乾燥層の有無がADR水分計の精度に影響を与えさらには乾燥密度の推定精度に影響することがわかった。セミバリオグラムを求めたところ,ADR水分計データと湿潤密度を使って推定した乾燥密度は実測値と同様の空間分布特性を持っていた。以上の結果から,ADR水分計と湿潤密度を用いた不かく乱土壌の乾燥密度推定はかなりよい結果を与えると考えられる。
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© 2004 土壌物理学会
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