土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
中国河套灌区におけるTDRで測定した不凍水量による土壌の凍結過程の解析
Wang Liping赤江 剛夫
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2004 年 98 巻 p. 11-19

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抄録

TDRで推定した液状水分量と地温データを用い,中国内蒙古河套灌区にある耕地A,塩害地Cにおける凍結の進行過程について検討した。不凍水の移動特徴から,凍結土層は“完全凍結層”と“部分凍結層”に区別された。現地の試験スポットのSite AとCにおいて,完全凍結層はそれぞれ 0.07 m3m-3, 0.08 m3m-3以下の不凍水分量を保ち,鉛直下方へ進行するのに対し,部分凍結層は厚さ 0.30 〜 0.40 mの土層内で不凍水分量がそれぞれ 0.07 m3m-3, 0.08 m3m-3から 0.35 m3m-3, 0.36 m3m-3へ急激に変化する傾向を示した。地温 -1.2°C, -2.1°Cはそれぞれの試験スポットの“完全凍結層”と“部分凍結層”の境界になっていることが判明した。

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© 2004 土壌物理学会
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