日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
原著
ポケットのある褥創の治療
塚田 邦夫徳永 恵子岩間 毅夫三島 好雄田沢 賢次藤巻 雅夫
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1994 年 10 巻 1 号 p. 17-24

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抄録

 ポケットを有する褥創は比較的よくみられるが,治療法の選択に難渋する例が多い。今回創傷治癒の原則に則って治療し,一定の有効な方法に達した。
 まず,創面のデブリードメントを基本とし,創内にきれいな肉芽を盛り上がらせた。このとき,創周囲皮膚の発赤・腫張・疼痛・熱感の「化膿の4徴」の有無によって,デブリードメントの方法と緊急性を判定した。その後ハイドロコロイドドレッシングを用い,一気にポケットが癒着によって閉鎖した。これはいわゆる遅延一次癒合閉鎖に属する治癒形態であった。ポケット内の癒合が望めない例では,早期にポケットをオープンする方法を選択する。いずれにしても湿潤環境と消毒剤の不使用が重要であった。

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