抄録
ストーマに癌が再発し、腹壁・腹膜にも播種性の転移をしていたため、ストーマが再造設できず、また癌の進行に伴い、ストーマ及び周囲の腹壁が変形していくため、ケアに難渋した症例を体験した。
この症例に対し、病棟とストーマ外来で提携し、継続的に関わった。ストーマ外来ではストーマの変形に合わせ、ゲージの変更や装具を皮膚保護剤の柔らかいワンピースに変更する等、セルフケア可能な方法を工夫していった。病棟では、腸閉塞で排便がほとんどなかったため、スキンケアを重視し、スキントラブルを予防することで終末期をできるだけ安楽に過ごせる工夫をした。