日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
12 巻, 1 号
12巻1号(通巻27号)
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
表紙・目次
連載講座
  • 進藤 勝久
    1996 年 12 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     着想は日常の中から偶然におこることが多い。その独自性を文献などで調べ,研究の意義を明らかにしておく。研究計画をたて,目的達成のための研究方法を選択する。場合によっては新しい方法を樹立することから始めることもありうる。
     研究結果は他人にも分かるような図表にすることも多いが,信頼性や統計学的有意性を明らかにしておく。その上で,その結果をどのように解釈するのか。どういう本質であるのかを論理的に展開するのが考察である。
     こうして導かれた結論には虚構や空想があってはならない。
     症例報告は問題意識をもって,その特殊性や意義深い所を中心に記述する。
原著
  • 作間 久美, 佐治 重豊, 原田 俊子, 進藤 勝久
    1996 年 12 巻 1 号 p. 7-14
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     二品系ストーマ装具の特長は面板を数日間連用して装着し,その間TPOに合わせて各種ストーマ袋の交換が可能な点である。今回,コロプラスト社が開発したダブルロック方式の嵌合部の有用性を,49例のオストメイトで評価した結果,①ロックリング部を採便/尿袋に移したことによるセルフプレートの柔軟性及び装着感の向上が認められた。②操作方法に慣れれば,採便/尿袋の着脱は簡便で,しかも安全であることが確認された。③装具装着後の全体評価は高く,継続使用の希望も多く,有用性は高いと考えられた。従って,このダブルロック方式は,はめ易く,外れにくく,しかも外し易いという嵌合部に求められる条件を満たしていると言える。
  • 真田 弘美, 伊藤 順子, 地崎 友美, 坂東 純子, 永川 宅和
    1996 年 12 巻 1 号 p. 15-25
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     オストメイトは,退院後にその生活の変化にとまどい,大きな不安を感じてしまう。そのためにオストメイトにとって患者会は退院後の心身両面でのサポートとなる。そこで,オストメイトが患者会に入会することでどのような効果があるのか,また入会の有無を決定する要因は何かを,身体的,心理的,社会的,自己管理方法の4つの側面から比較検討した。対象は,石川県の2つの医学部附属病院で手術を受けた患者79名(入会有34名,入会無45名)で,方法は自己管理方法、日常生活についての面接と,不安度,自尊心,ソーシャルサポートの自記式スケールを郵送した。その結果,患者会の効果として,ボディイメージの変化に対する適応が期待できることといえた。また,入会を決定する要因として,洗腸法を施行している,親しい人から拒絶感を抱かれていると感じている,長期にわたるサポートを必要としている,ことがあげられた。
  • その1. 排便障害の実態と排便障害評価尺度の作成
    佐藤 正美, 数間 恵子, 石黒 義彦
    1996 年 12 巻 1 号 p. 27-38
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     直腸癌肛門括約筋温存手術後の排便障害に対する看護の指針を得ることを目的に、術後4ケ月以上5年未満の58例を対象として、調査票を用いた面接法と病歴調査を行い、術後排便障害の実態を明らかにし、排便障害評価尺度を作成した。
     術後排便障害の特徴は、少量頻回の排便、短時間内の集中排便、細い便柱、肛門周囲痛、残便感、就寝後の排便、soiling 、排便・排ガスをがまんできない、排ガスとの区別が困難、便意がありトイレに行くが排便がないなどであった。
     特徴的な排便障害諸症状の関連を調べ、さらに因子分析を行い、2因子ごとに得点化した「排便障害評価尺度」は、三重大式評価法との高い併存妥当性を示し、有用な尺度となる可能性があると考える。
  • その2. セルフケア行動と排便障害影響要因
    佐藤 正美, 数間 恵子, 石黒 義彦
    1996 年 12 巻 1 号 p. 39-50
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     術後4ケ月以上5年未満の肛門括約筋温存術後患者58例を対象に、調査票を用いた面接と病歴調査により、排便障害に対するセルフケア行動を明らかにし、排便障害への影響を,身休的要因も含めて検討した。また、心理社会的要因とセルフケア行動との関係も調べた。
    1. 排便障害の改善には、1)便量を増やし、排便を促進させるような食品の
     摂取。2)排便を促進させるための肛門への刺激。3)生活様式の改善。
     4)骨盤底筋群の強化運動。が好影響を与えていた。
    2. 放射線治療例は排便障害が改善していなかった。
    3. 排便障害の改善に好影響を与えていたセルフケア行動は、自尊心とコーピ
     ング様式に関連していた。
    4. 看護援助として、食事と排便促進の方法や生活様式の指導,さらに,排便
     障害の回復についての見通しや経過を教えることが必要であることが裏づ
     けられた。
症例報告
  • 竹山 智弥, 伊野 キクエ, 近藤 美知子, 中島 進, 山口 孝治, 細井 英雄, 西山 潔
    1996 年 12 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 1996年
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー
     ストーマに癌が再発し、腹壁・腹膜にも播種性の転移をしていたため、ストーマが再造設できず、また癌の進行に伴い、ストーマ及び周囲の腹壁が変形していくため、ケアに難渋した症例を体験した。
     この症例に対し、病棟とストーマ外来で提携し、継続的に関わった。ストーマ外来ではストーマの変形に合わせ、ゲージの変更や装具を皮膚保護剤の柔らかいワンピースに変更する等、セルフケア可能な方法を工夫していった。病棟では、腸閉塞で排便がほとんどなかったため、スキンケアを重視し、スキントラブルを予防することで終末期をできるだけ安楽に過ごせる工夫をした。
短報
シンポジウム
地方会抄録(地域研究会記録)
feedback
Top