抄録
S状結腸ストーマ全周にわたり生じた粘膜皮膚移植に対し硝酸銀による焼灼を繰り返したが再発を止めることはできなかった。そこでCO2レーザー焼灼を行ったところ、3回の焼灼で粘膜組織は消失し上皮化が完成した。これにより皮膚保護材が密着、便の刺激からストーマ周囲を保護でき、良好な表皮形成促進がなされた。装具交換の手間と時間の大幅な短縮は患者のQOL向上におおいに寄与した。
CO2レーザー焼灼は皮膚深部に存在する粘膜組織まで充分に焼灼でき、しかもピンポイントに焼灼範囲を制限することが可能であり、難治性の粘膜皮膚移植には有効な治療手段であることを強調した。