日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
19 巻, 2 号
19巻2号(通巻49号)
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表紙
原著
  • 河島 秀昭
    2003 年19 巻2 号 p. 67-70
    発行日: 2003年
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー
     1993年から2001年までに勤医協中央病院で手術を行った消化器ストーマ192例を対象に当院におけるストーマ造設手術の現況を調査した。内訳は結腸81%、小腸19%で疾患別では結腸直腸癌が67%、結腸穿孔17%の順であった。造設された人工肛門は双孔式(ループ式)が61%と多くストーマ脱出、皮膚トラブルは単孔式と較べ双孔式で高率であった。ループ式ストーマにおいてもセルフケアしやすいストーマ造設手技の標準化が必要と思われた。
  • 土肥 千秋, 狩野 修代, 田中 智子, 阿部 治子, 舟山 裕士, 柴田 近, 橋本 明彦, 佐々木 巌, 菊地 克子, 内藤 広郎
    2003 年19 巻2 号 p. 71-75
    発行日: 2003年
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー
     腸管ストーマにおいて、ストーマ周囲皮膚障害の発生と皮膚角層機能の関連および皮膚角層機能に対する副腎皮質ホルモン製剤(ACH)の影響についてはよく判っていない。本研究では、回腸ストーマ症例をACH長期大量投与群と非投与群に分け、手術前、手術後4~5週目にストーマ周囲の皮膚の観察を行い、経皮膚水分蒸散量および皮膚コンダクタンスを測定した。その結果、経皮膚水分蒸散量、皮膚コンダクタンス共にACH投与に関係なく術後に上昇する傾向を認めたが、両群で術後に有意の経皮膚水分蒸散量の上昇を認めた。これらの結果は、面板貼付によりバリア機能が障害され、湿潤化しやすい事実を示していると考えられた。
症例報告
  • 日野岡 蘭子, 柿坂 明俊, 深見 洋一
    2003 年19 巻2 号 p. 76-79
    発行日: 2003年
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー
     S状結腸ストーマ全周にわたり生じた粘膜皮膚移植に対し硝酸銀による焼灼を繰り返したが再発を止めることはできなかった。そこでCO2レーザー焼灼を行ったところ、3回の焼灼で粘膜組織は消失し上皮化が完成した。これにより皮膚保護材が密着、便の刺激からストーマ周囲を保護でき、良好な表皮形成促進がなされた。装具交換の手間と時間の大幅な短縮は患者のQOL向上におおいに寄与した。
     CO2レーザー焼灼は皮膚深部に存在する粘膜組織まで充分に焼灼でき、しかもピンポイントに焼灼範囲を制限することが可能であり、難治性の粘膜皮膚移植には有効な治療手段であることを強調した。
  • 五十嵐 由美
    2003 年19 巻2 号 p. 80-84
    発行日: 2003年
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー
     空腸ストーマ患者において、脱水、電解質不平衡等が問題となるため、効果的な水分・電解質補給が重要である。今回筆者らは、胃癌腹膜播腫による腸閉塞に対し残存空腸約150cmの空腸ストーマを造設した症例に、低浸透圧飲料を控え、等浸透圧に近い市販スポーツ飲料(大塚製薬:ポカリスエット)を飲水するよう指導した。その結果、腸蠕動抑制効果のある薬物の使用効果もあり、スポーツ飲料1500ml/day摂取したところ、ストーマからの一日排便量が4000mlから2000mlに減少し、尿量が平均380ml/dayから800ml/dayに増加した。この結果から等浸透圧に近いスポーツ飲料の効果は確認された。しかし、文献的には電解質含有量からスポーツ飲料は十分ではなく、電解質を多く含有する等浸透圧に近い経口補水液Oral rehydration solution(ORS)の飲水が有効となりえることが示唆された。
臨床報告
地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
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