抄録
コロストーマ15例,イレオストーマ13例で皮膚保護剤の安全な耐久性を知る目的で,ストーマ周辺のpH測定を実施した。測定部位は,
①ストーマ外部粘膜,②ストーマ内部粘膜,③ストーマ内部便,④ストーマ辺縁皮膚,⑤ストーマ周囲皮膚,⑥皮膚保護剤軟化部,⑦尿とした。
②,③,⑥,⑦の4カ所において,コロストーマとイレオストーマの間に有意差のある結果が得られた。各部位における測定pH値からは,皮膚保護剤の持つ緩衝作用が証明された。ストーマ辺縁皮膚と皮膚保護剤軟化部のpH測定は,皮膚保護剤の有効な装着期間を知るために応用可能であることが示唆された。