日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
原著
各種皮膚保護剤のpH値と貼用時における皮膚表面pH値とその変化
田沢 賢次笠木 徳三勝山 新弥山本 克弥新井 英樹島田 一郎竹森 繁藤巻 雅夫松本 生子水口 志賀子島端 久美子江川 アツ子
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 5 巻 1 号 p. 39-45

詳細
抄録
 ストーマ造設患者もしくは消化管瘻孔患者19名の皮膚pHを測定した。堀場M-8s,富士化学計測1304GC電極を用いた。前胸部,腹壁の健常皮膚はpH4.71から6.93に分布した。
 ストーマ周囲の潰瘍創は6.95±0.39,ビラン部は6.05±0.92,便の残っている皮膚は7.94±0.77である。皮膚保護剤であるカラヤ系9種類のpH値の平均値は4.72(最小値平均)から4.81(最大値平均),14種類の合成ゴム系のそれは5.30から5.36に分布した(P<0.01)。
 ストーマ周囲で溶解した場合の皮膚保護剤ではカラヤ系に優れた緩衝能力を認めた。石鹸類はpH9から10に分布し,石鹸使用時のpH回復推移から十分に洗浄する必要がある。
 皮膚保護剤の使用がストーマ周囲皮膚を弱酸性に補強するため合目的に作用していることを明らかにした。
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top